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物件売買とレントロール、入居募集の関係性

2023.08.17

前回のコラムで、賃料の条件見直しがかなり遅くなってしまったとお話ししました。

前回のコラムはこちら⇒ https://www.superfp.com/blog/?p=9874

いつもなら3~4件の内見で決まらなかったり、一か月で成約しない場合、すぐに家賃の値下げをしていたところでした。

もちろんよく言われている、1件の申込を獲得するまでに、5件の内見が必要というのに従えば、まだこの段階では家賃を下げる必要はないのかもしれません。

ですが、私は早め早めの条件見直しの方が早く成約し、結果的に家賃収入が大きくなると考えているため、上記のタイミングで値下げをしています。

今回の入居募集では、その家賃値下げのタイミングが遅くなったのですが、理由は、同時期にその物件を「売却」に出していたためでした。

そう、本コラムでもお伝えした、いきなりのテレアポの営業マンに売却を任せた、あの物件です。

以前のコラムはこちら⇒ https://www.superfp.com/blog/?p=9862

やはり募集賃料が少しでも高い方が、満室想定利回りを高く表記できるため、高い価格で売却がしやすくなります

もっとも不動産投資の物件購入時のノウハウとしては、「売り主・仲介会社の見せかけのレントロールには騙されてはいけない。必ず相場賃料を調べた上で買付を入れること。」といったものがあります。

(レントロールとは、賃料や敷金、入居期間等の賃貸条件を一覧にしたものです。)

そのため、募集している賃料設定に無理があれば、「レントロールに記載の募集賃料ですが、バカ高い賃料設定ですよね?そんな賃料では決まりっこないのだから、その想定利回りにはならないですよね?なので、もう○○万円値下げしてもらえますか?」といった価格交渉が入ることが予想されます。

物件を少しでも高く売却するためには、今、レントロールに記載している通りの家賃で実際に成約させたいと思っていたため、賃料の見直しのタイミングがいつもより遅くなっていたというわけでした。

なので、設定通りの家賃で成約したときは、入居募集をしている身として嬉しかったのはもちろんのこと、それだけではなく、「想定上」のレントロールが想定ではない「現実」のレントロールになり、物件価格の減額交渉の材料を一つなくすことができたという意味で、二重の嬉しさがあったのでした。

とはいえ、今回はたまたま高く売却するために少し粘ったのが功を奏したのですが、そんなにうまくいかないことの方が多いと思います。

いくら高く売却したいからといって、数か月も高い家賃設定のままではさすがに買主から、「そんなに長期間、入居募集していて成約しないのは、単純に家賃設定が高すぎるだけでしょ?」と、物件価格の減額交渉を受けてしまう可能性が高くなります。

もし、現在、売却活動中で、入居募集を併せて行っているようでしたら、ズルズルしないようにどのタイミングで賃料の見直しをするかを決めておきましょう。

まとめ:
物件売却中の入居募集。
いつ条件見直しを入れるかが、物件価格に響いてくる。

今回は、物件売却中の入居募集・条件見直しについてお伝えしました。

何かの参考にしていただければ幸いです。