親子の絆と保証会社との意外な関係
2018.11.29
先日、私の物件で強制退去になった入居者さんの後日談です。
幸いなことに、この賃貸借契約には保証会社がついていました。
ですので、私に家賃的な損害はありませんでした。
しかーし、たった数か月の入居にも関わらず部屋の損害がけっこう甚大でした。
この入居者さん、あろうことかお風呂に大きな大きな「焼け焦げ」を残していったのです。
「そんなときこそ、火災保険の出番だよ!」と言われそうですが、おっしゃるとおり、こんなときには、入居者さんが加入している「はず」の火災保険、正確には、借家人賠償が使えるのが通例です。
借家人賠償というのは、入居者さんがお部屋に大きな損害をもたらし、大家さんから、「元の状態に戻しなさい!原状回復にはこれだけお金がかかりますよ!」と賠償請求されたときに、通常そんなお金は払えないので、代わりに保険会社が支払ってくれる、というものです。
ところがです。
入居したとたんにトラブルが始まってすぐに退去になるときなど、そういうイレギュラーなケースにありがちなように、この方も火災保険に未加入だったのでした。。。
「どうしてそんな入居者を受け入れたんだよ!」と言われそうですが、それがなかなか難しいところだったのですね。
というのが、もともと火災保険は、
- 保険契約の締結
- 入金
の両方があってはじめて保障がはじまる、というのが基本です。
しかし、火災保険の中には親切心?からか、契約締結日(責任開始日)以降、一か月以内に入金すれば、入金前でも責任開始する。
のようなものが存在します。
今回のケースでいえば、きちんと保険契約を締結し、入居がスタートしました。
しかし、一か月たっても入居者が入金せず、保険が失効してしまっていたのですね。
でも、気づいたときには後の祭り。
案の定、物件に大きなダメージを残して強制退去になったのでした。。。
家賃すら払えないので、原状回復のお金などどうにもなりません。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
なんと突然、退去された入居者のお母様より電話がかかってきたのです。
そして、「すいません、今回息子が非常にご迷惑をおかけしたみたいで。。。」と、損害を全額、弁償してくれることになったのです。
ただ、一括は無理で、分割払いということでしたが、それでもこんなにありがたいことはありません。
保証会社が契約時に、緊急連絡先として登録されていたお母様に連絡をしていたのですが、どうやらそれを頼りに、逆にお母様の方から私の連絡先を突き止め、連絡をくれたようでした。
今回の事例から反省とともに学んだことは、下記の2つです。
- 保証会社がついていれば何でも大丈夫ということではなく、可能であれば、保証人もつけてもらうことが時には大事。
- 入居者が本当に火災保険に加入しているか特に更新・再契約時には確認が必要。
⇒勘違いしている不動産会社は意外と多いですが、保証会社の保証とは別に連帯保証人もつけることは、審査としておかしなことではありません。
⇒入居時には契約していても、更新時には無保険という入居者も一定数いるものです。
いや~、賃貸経営はドラマみたいなことが本当に日々起こります。
日々勉強、日々経験ですね。
いろいろな方に助けられ、支えられながら頑張りますっ!
まとめ:
入居者の連帯保証人、緊急連絡先、火災保険の加入状況の確認は、本当に大切です。
今回は、最近退去した不良入居者から学んだことについてお話ししました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
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