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物件の「川上情報」獲得法

2017.07.13

「谷本さん、お久しぶりです。前に購入してもらった土地のエリアに、また同じような形状の土地が出てきたんですが、興味ありますか?」

2年前に物件を仲介してもらった大手不動産会社の支店長さんから、突然電話がきました。

物件購入時のポイントは、仲介する不動産会社に儲けさせてあげること、とよく言われます。要は、売主側と買主側の仲介手数料、あわせて2倍の手数料を稼がせてあげる、というものですね。

今回の連絡も、他業者経由で成約してしまう前に買主を見つけて、6%(3%×2倍)の手数料を獲得しようという動きの中での電話でした。

2年前にこちらの業者さんに仲介してもらった土地は、法人で購入しました。

その際、「ウチの会社では、法人で購入する場合には、ローン条項なしでないと買い付けを受け入れてはいけないことになっています。」と言われたのが、すごく印象に残っています。

その時は内心、「そんなことあるわけないだろっ!」と思ったのですが、銀行の内諾をとっていたこともあり、また、価格交渉をうまく進めてもらうためにも、逆にローン条項なしでの買い付けを利用しました。

実際問題、仲介する不動産会社にとっては、契約が白紙撤回になる可能性のあるローン条項付の契約より、ローン条項なしの契約は、100倍もありがたいものです。

もちろん、売主側にとっても、いわば現金客と同じ扱いとも言えますので、価格交渉が入るとはいえ、「契約がキャンセルになる可能性が低い」という意味で、優先したい買主になります。

2年前にこの業者さんから土地を購入した際、ローン条項なしだったこともあり、私のことを、「契約するときには、ローン条項なしで話を進められる手っ取り早い客。」と思ってくれていたのでしょうね。

不動産業者の立場になってみると理解しやすいのですが、業者が相手にしたいお客さんというのは、

  • 現金で決済してくれる!
  • 即決で判断してくれる!
  • 100%ローンがつく!
  • 仲介手数料を値切らない!

というような方です。

要は、「楽に」「確実に」「早く」儲けさせてくれるお客さんとだけ取引したいのですよね。売買仲介専門の業者さんは、物件売買時の手数料そのものが売上なので、これは仕方のないことです。

なので、物件購入の際には、この業界の構図を利用した方がいい物件が購入できますし、また結果的に安く物件を購入できます。

これが、いわゆる「川上情報をつかむ」ということとも言えるのですが、実際はそんなに甘くはありません。

今回紹介してもらった土地は、確かに川上情報だったのですが、残念ながら「価格の高すぎる川上情報」でした。

そうなんですよね。川上情報だからといって、何でもかんでもお宝かと言えば、決してそんなことはありません。

そりゃそうです。いくら不動産会社ががんばって売主から売却依頼を獲得しようとしても、最終的には、売値は売主さんが決めます。

もちろん、売値は業者さん任せという売主さんもいるとは思いますが、そうでないケースの方が多いのではないでしょうか。

でも大事なのは、物件情報を預かってくる不動産会社の営業マンに、「こいつは、物件紹介したら俺を儲けさせてくれる客だ!」と思わせられるかどうかです。

今回は、今のままでは収支が合わないので買えないが、○○円まで価格が下がるような場合にはすぐに連絡してください、と丁重にご連絡しました。

この時、抽象的に、「価格変更になったら・・・。」というのではなく、明確に価格を伝えておくことも大切と思います。

はっきりと、意中の価格を伝えておいた方が、お互い無駄な時間をとりません。また、営業マンにしても、買主がこの価格だったら即決する、というのが分かっていた方が売主さんに対して価格交渉しやすいですものね。

一つ一つの不動産会社とのご縁を大切にしながら、今後も投資物件を見つけていきたいと思います!

まとめ:
不動産会社からの物件提案に対しては、明確な回答を心がける!

今回は不動産会社からの物件紹介と営業マンとの関係作りについて考えてみました。

何かの参考にしていただければ幸いです。