とにかく生き抜くこと。
2020.04.16
私の弟は、実家のある兵庫県で美容室を経営しています。
従業員が5名ほどいる、立派な経営者です。
先月、たまたま帰省したときに、「コロナの影響で、客足が激減した。この状況は辛いな。早く終わるといいんやけど。」と話していました。
ところが、つい先日連絡をとったところ、「経営はまだできてるけど、ギリギリ生きていけるかどうか、っていうぐらい。まあ、子供と過ごせる時間が増えたと思って、前向きに頑張るわ。」ということでした。
それで、弟には、
- 大家さんか管理会社に、経営状態をありのまま伝えて、家賃の減額や猶予をしてもらえないか、頼んでみること。
- 店舗の賃料は居住用と比べて大きく、また居住用と違い、一度空いてしまうとかなりの空室期間を覚悟しないといけないという大家側の事情を、それとなくほのめかしながら交渉すること。
- しかし、悪徳クレーマーになるのが目的ではなく、長期、共存共栄の気持ちがあるからこそ、今提案しているという姿勢を見せること。
などを伝えました。
また、少し前に不動産会社には相談したが取り合ってくれなかった、ということだったので、
- 大家さんの耳に届く前に、不動産会社でもみ消されてしまっている可能性もあること。
も伝えました。
私も物件を貸す側の人間として、入居されている方から、家賃の減額や免除を交渉されることほど、嫌なことはありません。
なぜなら、ローンの返済は待ってくれませんし、突発的な修繕に対応するためにも、手元に家賃をプールしておく必要があるためです。
しかし、これまで居住されている方からの相談には、できるだけ親身に応対してきたつもりです。
仕事がなくなり手元にお金がない、と言われれば、分割払いなどの相談にも乗ってきました。
最終的に全く家賃が払えなくなり、夜逃げを促したこともあります。
このコロナの影響の中、特に店舗や事務所に賃貸している大家さんは、店子さんから相談される前に、先手を打って家賃免除や減額を提案している方もすでにいらっしゃるようです。
お店を経営している事業者さんが、特に大打撃を受けていますものね。
居住用物件を経営している大家さんでも、先週このコラムでもご紹介した「住宅確保給付金」などの存在を、全契約者に教えてあげるお手紙を出すのは、非常に意味のあることだと思います。
■先週のコラムはこちら⇒ https://www.superfp.com/blog/?p=6694
また、管理会社さんがいるのであれば、「自分の物件で、入居者から家賃支払いがきつい、というような問い合わせは入っていないか?」ということを、最低限、聞いておいた方がいいです。
管理会社さんの窓口で情報がストップしていることもありますものね。
弟とは、最後に、「とにかく、この局面は生き抜くのが大事。従業員の給料の支払いに困ってしまう前に、政府系金融機関に早目に打診すること。あと、どうしようもなくなる前に、自分でも親にでも、泣きつくこと。こんなときに面子なんてどうでもいい。とにかくお互い生き抜いて、またビールを一緒に飲もう。」と別れました。
家賃支払いができない、厳しい、と言われる入居者さんが、私の物件でもでています。
この不安定な状況、まだまだ続きますが、お互い耐え抜いていきましょう!
まとめ:
入居者と大家、お互いに長期的に共存できるよう、前向きに考えていこう!
今回は、今の時期における入居者さんの応対法についてお伝えしました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
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