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融資担当者が作文しやすい材料を作ってあげよう!

2019.03.07

「本部がまたやっかいな条件を導入してしまいました。。。」

某地銀の融資担当者と打ち合わせをしていたところ、こんなボヤきがでてきました。

聞いてみるとその営業マンは、足切り条件とまで言っていましたが、融資審査の画一的なシステムに、返済比率の条件が厳格についてしまった、とのことでした。

返済比率というのは、(家賃)収入に対する年間の返済額の割合のことで、どちらかというと、不動産投資向けのローンよりも、住宅ローンを借りる際の収入基準の一つとして、メジャーな指標かと思います。

「この金額のマイホームをフルローンで買うには、借入期間を35年としても、返済比率40%をクリアするには、給与収入が〇〇円必要・・・。」みたいな使い方をします。

返済比率の具体的な数字は言ってくれませんでしたが、住宅ローンにならうとすれば、35~40%以内というような数字かな、とは思いました。

しかし、これだけの情報であれば、そんなもんか、と感じるだけですが、今回の「足切りシステム」について、この営業マンは彼なりに考えて、

  • 立地がよく、資産性は高いが利回りの低い物件購入に不利に働いてしまう・・・

  • 利回りがよくても、耐用年数の問題でローン期間が短くなる物件も、どんどん足切りにかかってしまうようになる・・・

と心配していました。

つまりは、この足切り条件にかかってしまうと、上層部に出す稟議書以前の問題で、お断りせざるを得なくなる、ということのようでした。

続けて彼は、「これからは、今以上に大規模修繕や鑑定評価が必要になってきます。」と、断言しました。

そう、返済比率を低く抑えるためにまずできることは、借入期間を長くすることです。

何もせずに審査すると、いわゆる、法定耐用年数-築年数程度に融資期間が短くなってしまいます。

ところが彼は、借入期間に、経済的耐用年数を使い、稟議で上層部と闘うとのことでした。

確かに、国税庁のHPにも堂々と、

「中古資産を取得して事業の用に供した場合には、その資産の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。また、使用可能期間の見積りが困難であるときは、次の簡便法により算定した年数によることができます・・・」

と記載されています。

要は、減価償却にしても何にしても、経済的にどれだけその建物がもつのか?に基づいて計算しなさいよ、ということを言ってるんですね。

私も以前、修繕履歴を使って、営業マンに借り換えをうまくしてもらうことができた経験があります。

画一的な融資審査では、残債のある古い物件は、家賃収入があったとしても、

  • 家賃収入は「0」

  • でも、借入は負債としてちゃっかり計上される

とみなされがちです。

しかし、「この物件は、しっかり修繕されて、経済的耐用年数が〇〇年と見込めます。」と営業マンがうまく作文してくれ、無事に本部を納得させられた、というわけですね。

さらに、このような修繕履歴だけでなく、鑑定士さんの鑑定評価も加われば、より、営業マンは稟議を通しやすくなると言います。

そりゃそうですよね。

なにせ不動産鑑定士さんが、この物件は、経済的残存耐用年数が〇〇年と見込まれる・・・と書いてくれれば、営業マンとしては上層部と闘うための最大の武器になりますものね。

融資が厳しくなったと言われていますが、このように、何とか融資を通そうと動いてくれる営業マンがいるのも事実です。

ですので、一般論で融資打診をあきらめるのではなく、どうやったら融資が引き出しやすいかを、担当営業マンと一緒に考えていくのも、大事なときなんだろうなと思いました。

先日、決算書作成と申告が終わったので、さっそくこれをネタにして、次なる融資獲得のために銀行折衝を開始します!

まとめ:
融資担当者に「融資しやすい材料」を作ってあげよう!

今回は、某金融機関の融資事情についてお伝えしました。

何かの参考にしていただければ幸いです。