PAGE TOP

家賃設定の意味・根拠を伝えること

2015.09.24

「今、募集しているくらいの家賃になるんだったら、退去するの、やめるんだけど・・・。」

退去予定の入居者さんから、こんな連絡がありました。

この物件では他に空室があり、このタイミングで退去になるのは痛いところでした。

そんなときに退去をやめるかも、という連絡がきたのは、まさに渡りに船。

本来であれば、現在払っていただいている家賃を募集している家賃に見直すことで退去を防ぐ、というのが良いのかもしれません。

ところが、この入居者さん、再契約時に「賃料アップコース」を選択された方でした。

賃料アップコースというのは、こちらの物件の大家さんが作った、再契約(更新)時のメニューの一つ。

再契約料(更新料)を支払うか、もしくは、賃料を数千円アップさせることで、一時金を入居期間中、免除するもの。

計算すると、長く住む場合は賃料アップコースの方が料金的にお得になるように設定してあります。

こちらの物件では、2年ごとに再契約を行っていますが、再契約料を支払うよりも、毎月の賃料アップを選択する方が圧倒的に多い状況です。

にもかかわらず、別の部屋の募集賃料をみて、それと同水準にしてくれたら・・・と交渉されたのがなかなか難しいところです。

断ることはカンタンですが、空室が続くよりは受け入れる方がいいのかもしれません。

もしくは、その間をとって、多少値下げして受け入れる、という方法もあります。

または、きっぱりと断る、ということも大切な選択肢でしょう。

最終的には大家さんの判断になりますが、それでも、今回学んだことは、「どんな理由であれ、家賃が高いことは、入居者の退去理由になる・・・」ということ。

過去の理由がどうであれ、見た目の家賃で判断されることも多いのが現状かもしれません。

そして、もう一つは、「家賃が高くなっている理由を常日頃からしっかりとPRしないといけない!」ということです。

今回のケースでいえば、「賃料アップコース」の存在についてです。

既に利用されている入居者はもちろん、これから利用するかもしれない入居者にアピールしておけば、家賃設定の理由になります。

少なくとも、「ああ、そういう意味でその分だけ家賃が高いのか。」と思っていただける確率は飛躍的に高まります。

家賃設定に前向きな意味を持たせていきましょう!

まとめ:
根拠のない高い家賃設定は命取り。でも、前向きな意味ある家賃設定は日頃からアピールすべき!

今回は家賃設定と家賃交渉についてお話ししました。

何かの参考にしていただけましたら幸いです。