銀行担当者から聞き出した新しい融資基準とは?
2020.07.09
久しぶりに銀行に物件購入の資金の融資を打診していたのですが、その件で支店担当者より連絡があり、「一度打合せの機会を作っていただきたい。伺いますので、詳しい話はその時にさせてください。」とのこと。
融資の回答ぐらいなら電話でもいいのにと思いながら、面前での打合せとなりました。
今回は中古物件ではなく、また新築にトライしようと土地案件を持ち込んでいました。
話を聞いてみると、「支店レベルでのOKはとれたので、あとは本店審査部に稟議をあげていくための知識武装をさせてください。担保評価などは審査基準を優に上回っているので、あとは肉付けが欲しいです。」ということでした。
そのため、その銀行の審査基準について内部資料を提示してもらいながら、一つ一つ説明してくれたのですが、
- 計画エリア毎に物件情報(居室面積など)から、空室率を決める。
- 空室率は10%からスタートし、数年ごとに上昇させていく。
- 審査金利は、従来の一律4%というものではなくなり、2%程度から5年ごとに上昇させる。
といった指標が、聞いていておもしろいなと思ってしまいました。
従来だと、
- 空室率は一律20%
- 審査金利4%
- 経費率16%
という指標程度かなと思っていたのですが、これが大きく様変わりしてきたという印象です。
たしかに、空室率一律20%や金利4%だとほとんどの案件でマイナスのキャッシュフローになってしまい、なかなか融資審査が進みませんものね。
また、その物件ごとのエリアに応じた空室率や物件の募集環境まで見据えたデータを反映させているのには、正直びっくりしました。
これまでは、案件を持ち込む側の私たちが賃貸ポータルサイトの情報を持ち込んだり、レントロールに記載された想定賃料などを示したりしていたのですが、それが今回のような指標になってくると、あまり影響力のないものになります。
しかし、審査基準を何の考えもなしに単に厳しい設定にしておくというのではなく、エリアの募集環境や実際の金利などを反映したものに変えてきていることなど、かなり好印象。
やっぱり、銀行って本来そういう審査をすべきなんだろうなと再確認できました。
と、銀行に好印象を持ったのもつかの間、「で、相談はここからで、谷本さん、今回の融資がうまくいったときには、コンサルティング料3%を課金させてもらえませんか?」とのこと。
この銀行からは、他にも融資を受けていますが、
- 今回の案件は、すでに受けている融資の中で一番低い金利よりも、さらにマイナス0.3%の金利で稟議を進める。
- この計算でいけば、融資期間が終了時にはコンサルティング料3%と同等分の金利が削減される。
という話でした。
おいおい、そんなけっこうな金額を貸し付けを盾に提示してくるなよと思いながらも、これだけ低金利になってくると、銀行の収益的にもつらいところなんだろうなとも感じ、「それでうまく進むようなら、やってみてください。」と回答しました。
しかし、銀行のそういうコンサルティグ料って、ちゃんとした正当なフィーに該当するのかな?と今、疑問に思っています。
次の段階の融資回答が出た際に、そのフィーについて、もう少し突っ込んでみたいところです。
しかし今回の打合せでは、この銀行の最新の融資審査の実態が知れてよかったです。
こういうのを別の取引銀行でも探ってみたいですね。
まとめ:
銀行の過去の融資基準にとらわれず、「今の」「最新の」融資動向を探ってみよう!
今回は金融機関との打合せから知った融資情勢についてお伝えしました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
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