入居者の火災保険未加入にご用心
「谷本さんの物件が火事・・・。」「割れた窓ガラスが通路に飛び散っている・・・。」「溶けた外壁が・・・。」電話連絡を受けたスタッフから伝言を聞き、週初めから目の前が真っ暗になりました。
「先週は給水管の漏水がやっと解決したばかりなのに、今週は火事か。賃貸経営ってほんとトラブル対応の連続だな、しかしついてないな、今度は火事か・・・。」思わずボヤいてしまいました。
詳しく話を聞いてみると、私の物件の隣地建物が火事になり、そこから被害を受けたということで、どうやら早とちりだったようです。
まずは自分の物件が火事ではなかったことに一安心。
情報を提供してくれたのは入居者さんで、物件の通路部分に、ガラスの破片や溶けた外壁のようなものが散らばっているので、隣地に損害賠償請求するなら早い方がいいですよ、ということをアドバイスしてくれたのでした。
隣地の損害賠償どうこうより、まずは片付けが最優先ですので、日頃、巡回してくれている清掃業者にすぐに連絡をとり、現場に急行してもらい、臨時清掃をお願いしました。
現場から写真報告をしてくれたので確認すると、確かに何か通路にこびりついているものの、大きな被害はないことが分かり、ようやく気持ちを落ち着かせることができました。
前回のコラムでの自主管理のポイントの続きになりますが、自分で身動き取れないことも多いので、フットワークの軽い巡回清掃の業者さんとつながっておくことも非常に大切です。
前回のコラムはこちら⇒ https://www.superfp.com/blog/?p=9162
賃貸経営って、いつ何時、どんなトラブルが発生するか分からないので、「別段そんなに汚れないから、日常清掃なんてそんなに回数いらないよ。」と回数を減らしてしまうのではなく、見回ってくれるだけで意味があると考えて、ある程度の頻度で巡回してもらうようにしておくと安心です。
そして、その巡回の頻度や曜日を把握しておけば、何かの用事をその巡回のタイミングでお願いすることもできるようになります。
今回火事が発生したのは、隣地にある比較的新しいアパートの一室からでした。
入居者さんの失火と思われますが、これが自分の物件だったらと思うとぞっとします。
セミナーなどでもお話ししているのですが、私たち不動産投資家は、入居者が火災保険にしっかり加入しているかどうかをときどき確認する必要があります。
というのも、入居時の火災保険への加入は、不動産会社が比較的しっかりフォローしてくれますが、数年後の再契約・更新時には、火災保険への加入をスルーしてしまう不動産会社が少なくありません。
なぜなら、火災保険の更新手続きは、不動産会社を介さずに直接、火災保険会社と入居者でやり取りするケースが多いためです。
ですので、怖い話、賃貸借契約は再契約・更新されているけれど、火災保険はずっと未加入の状態だった・・・、ということが平気で起こりえます。
そんなときに火災が発生したら、入居者さんはそのお部屋を原状回復させることができるでしょうか。
原状回復に数百万円かかってしまう、ということも考えられます。
とてもそんな大金、入居者さんは払えないですよね。
そう考えると、火災保険未加入の状態を作っておくと、私たちは壊滅的な被害を被る可能性を放置していることと同じになります。
たかが火災保険、されど火災保険。
年末年始の長期休暇もあるので、一度、入居者の火災保険への加入状況を確認しておきましょう。
まとめ:
定期的に入居者の火災保険加入を確認し、万が一の事態に備えておこう!
今回は、隣地の火事で被害を受けた話と入居者の火災保険加入についてお伝えしました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
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