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教科書に載らない返済方法の実態とは?

2017.08.03

前回のコラムでは、「固定金利」と「銀行交渉」に関する失敗談をお話ししました。

そこで、ついでといっては何ですが、ローンの返済方法についての失敗談もお伝えします。

不動産投資をはじめたころ、「固定金利」はもちろん、返済方法についても「元利均等返済」しか選ばせてもらえませんでした。もちろん、変動金利でも金利が安ければいいのですが、バカ高い金利しか選択の余地がなかったのです。

選択も何も、そもそも、

「その金融機関から融資してもらえるかどうか?」
「その金融機関からNoと言われれば、もはや万事休す・・・。」

という状況です。

一方、コンサルティング現場では、地主さん達が固定金利や元金均等返済でフルローンがおりるのをとってもうらやましく見ていました。

ですので、「いつかは自分も固定金利・元金均等返済で借りてやる!」というぼんやりとした思いを持っていたのを憶えています。

そのため、銀行から初めて金利や返済方法が選べると言われた時、飛びつくように【固定金利・元金均等返済】を選択しました。

アホですね、全く。何にも考えてなくて、ここでお話しするのも我ながら恥ずかしい・・・。

固定金利については、前回お話ししたからいいとして、元金均等返済の何が問題だったかというと、毎月の返済金額が大きくなること。

「そんなの、当たり前だろ!」と言われるかもしれません。

しかしですね、教科書で書かれているような内容と、実際に元金均等返済を体感してみた感覚は、もう全く感じ方が違うのですね。

よく、不動産投資本には、元金均等返済は毎月の返済額は大きくなるが、最終的には元利均等返済と比べると利払いが少なくて済む・・・。と書かれています。

例えば、1億円、金利2%、期間25年で比べてみると、

  • 元利均等返済
    毎月返済額:約42.3万円
    利息総額:約2,715万円
  • 元金均等返済
    毎月返済額:約50.0万円
    利息総額:約2,508万円
になります。

見方を変えると、
  • 毎月の返済額は約7.7万円、
    年間では92.4万円も元金均等返済の方が大きくなってしまう・・・
  • 25年間では、207万円、
    元利均等返済の方が利払いが多い。
となります。

確かに元金均等返済の方が、利払いが多くなります。

しかし、25年で割ってみると、年間では約8.3万円の違いです。

毎年8.3万円利払いが少なくなるだけなのに、毎年90万円以上ものお金が手元から消えていくってどない?これがはじめて計算してみたときの自分の感想でした。

当たり前の話ですが、返済額が大きくなってしまうので、よく言う【返済比率】も必然的に高くなってしまいます。

ですので、手元にキャッシュを多く残しておきたい時期(資産拡大期)などは、やっぱり無理せずに元利均等返済の方がいいですよね。

ただ、毎月の手残りを見るとデメリットだけが目立つ元金均等返済にも、隠れた?メリットがあります。それは、返済期間途中での売却を想定する場合です。

元金がガンガン減っていくので、売却時の残債が少なくなり、結果、売却益の手残りが多くなります。また、残債の減りが大きいということは、資産・負債のバランスがよくなり、銀行評価が高くなることでもあります。

上記のようなことまで計算したとき、興奮して震えてしまいました。(-o-;

おお、そういうことかと。単に憧れだけで返済方式を決めてはいけないなと。そして、このような経験をして、返済方式の本当の使い方が「腑に落ちた」気がします。

返済方式による返済額などの違いについては、金融電卓で簡単に計算できますので、ぜひぜひ一度は計算してみてくださいね~。

まとめ:
実際に手を動かして、単なる「教科書的知識」を血肉にしよう!

今回はローンの返済方式の失敗談について考えてみました。

何かの参考にしていただければ幸いです。