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「パスワード、どうしてる?」なら聞けるかも。相続の話は小さなきっかけから

2026.08.20

「相続のこと、一度ちゃんと話しておいた方がいいよ。」

親にそう言えますか?

私は、これがなかなか難しいと思っています。

相続というのは、親世代からすれば自分が亡くなったあとの話です。

こちらにはそんなつもりがなくても、「財産の話をしたいのかな」と思われてしまうかもしれません。

だから大切なことだと分かっていても、なかなか話を切り出せない。

以前このコラムでも、相続はデリケートな問題だからこそ、機会を見つけて何度でも話し合うことが大切だと書きました。

しかし「その機会をどうやって作るのか」という問題が残ります。

先日、その答えの一つになるかもしれない興味深いサービスの提案を受けました。

まだリリース前とのことなので、ここでは(仮)遺言システムとしておきます。

名前だけ聞くと、「遺言かぁ・・・。」と少し身構えてしまいますよね。

ところが話を聞いてみると、入口はもっと身近なものでした。

例えば、「パスワード、どうやって管理してる?」これなら聞けそうではありませんか?

銀行や証券会社だけでなく、今はさまざまなサービスをインターネット上で利用します。

IDやパスワードを紙に書いておいても、「あれ、どこに置いたっけ?」となることもあります。

そこでこのシステムでは、

・各種サイトのログイン情報
・保険の加入情報
・銀行口座
・不動産
・暗号資産などのデジタル資産
・いざというときに連絡してほしい人

など、自分の頭の中にしかない情報を一ヶ所にまとめて管理できるようにするそうです。

さらに興味深かったのは、自分に万が一のことがあった場合、誰にその情報を開示するのかをあらかじめ決めておけることです。

引き継ぎの手続きには司法書士も関与する仕組みを予定しているとのことで、早ければ今年の年末までには利用できる状態になるそうです。

この話を聞いていて、「これ、相続の話をするきっかけとして面白いな。」と思いました。

いきなり、「お父さん、相続のことなんだけど・・・。」では、どうしても身構えてしまいます。

でも、「最近、パスワードが増えすぎて大変じゃない?」なら、ただの日常会話です。

そこから、「銀行口座なんかも、家族が全然知らなかったら大変だよね。」「保険もそうだね。」「不動産はどうなっているんだっけ?」と、少しずつ話を広げていく。

気が付けば、相続について話しています。

これはとても自然で、スマートな方法だと思いました。

相続の話は、一度で全部決める必要はありません。

むしろ一度で決めようとするから、重たい話になるのかもしれません。

今日はパスワード。

次は銀行口座。

その次は不動産。

そんなふうに小さな話を何度も重ねていけばいい。

一度話を振ってうまくいかなかったとしても、それで終わりではありません。

切り口を変えて、また別の日に話せばいいのです。

大切なのは、親が自分で考え、自分で意思を伝えられるうちに「最初の一歩」を踏み出しておくことだと思います。

特に不動産は、現金のように簡単に分けられるものではありません。

誰が引き継ぐのか。

売却するのか。

そのまま賃貸経営を続けるのか。

何も決めないまま突然相続が発生すると、残された家族が一から考えなければならなくなります。

だからこそ、「相続の話をしなければ。」と構えなくてもいいのだと思います。

パスワードの話でもいい。

保険の話でもいい。

銀行口座の話でもいい。

まずは、話せるところから始める。

その小さな会話が、何年か先の家族を助けることになるかもしれません。

まとめ:
相続の話は、いきなり相続から始めなくてもいい。
パスワードのような小さな話題が、大切なことを話し合う最初のきっかけになります。

今回は、新しいサービスの提案を受けて相続について感じたことをお伝えしました。

何かの参考にしていただければ幸いです。