相続放棄、関係者の意思統一は難しい
2023.05.18
前回のコラムでは、相続についての話をするために奥さんの実家へ帰省した、とお伝えしました。
前回のコラムはこちら⇒ https://www.superfp.com/blog/?p=9739
もう少し補足すると、実は奥さんは、あらかじめ相続を放棄したい旨を伝えたかったのでした。
負の資産しかなければ、何も考えずに相続放棄するのは分かります。
誰だってマイナスのものなんて欲しくないですものね。
ところが、今回の事例では、どう考えても資産はプラスです。
では、なぜ奥さんは相続放棄したいのかというと、義妹のことを心配しているのと、家を存続させたいからというもの。
被相続人の予定者は、
- お義母さん
- 義姉
- 奥さん
- 義妹
の4人なのですが、義姉はすでに嫁いでいて、安定した仕事をもつ方の家に入っておられます。
一方、義妹は結婚していますが、諸般の理由で旦那さん、子供さんと一緒にこちらの実家へ戻ってきています。
この義妹夫婦は、共働きでそれぞれが飲食の個人事業主という不安定な状況にあり、それがお義父さん、お義母さん、奥さんの心配点になっている模様でした。
収入面でもやはり余裕がない状況なので、奥さんは、妹夫婦こそ不動産を引き継ぐのが最適ではないか?と考えたのでした。
私はこの意見に賛成で、不安定な職業であればあるほど、賃貸経営は相性がいいと思っています。
夢を追いかけるために下積み修行をするにも、お金が必要です。
そんな時に毎月一定額の賃貸収入があれば、どれだけ安心して本業に取り組めるか、という話です。
あとは、相続人の数だけ平等に遺産相続させてしまうと、家が残らないと私は思っています。
大地主さんでも、資産を増やしもせずにそのまま分割して相続させていけば、3代もすれば資産なんてあっという間になくなってしまいます。
なので、そういう点からも、奥さんの相続放棄して、妹に賃貸経営を継いでもらうと考えたのは、私には非常に合理的に思えました。
ただ、結論から言うと、奥さんの「相続放棄」をお義父さんには受け入れてもらえませんでした。
お義父さんとしては、あくまで平等に相続という考えがあったためです。
また、義妹もそれを良しとはしないだろう、とも考えられました。
もちろん、何がベストなのかというのは、その家族によって答えが違うので、何とも言えません。
本当に相続の問題って、数字だけはなく、お互いの感情・気持ちの問題も入ってくるのでやっかいなものだと思いました。
奥さんの実家でのお金の話は、まだまだ始まったばかりです。
根気よく見守っていきたいと思います。
まとめ:
家族の思惑が入り混じる相続問題。
根気よく対話を続けていこう。
今回も前回に続き、相続対策について話したこと、考えたことをお伝えしました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
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