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トラブルを避けずにどんと受け止め、突き進むこと

2019.04.25

裁判所に行ってきました。

といっても、競売情報を見るためでも、滞納者の立ち退き訴訟でもなく、退去した入居者さんより訴えられての出廷です。

訴えられているので、谷本被告で、けっこうシャレになりません。

息子など、ニュースを見て、「〇〇被告って、犯罪者なんだよね?」というようなことを平気で言うので、今回は子供には黙って裁判所にいきました。

しかし、いざ、「被告人、前へ。」とか言われると、ドキドキしますね。

裁判所では、傍聴席には何度か座って裁判を見たことがありますが、さすがに被告人席は初めての経験。

といっても、簡易裁判所なので、数十件の裁判がどんどん目の前で進んでいきます。

ほとんどがクレジットカード会社などの債権回収がらみの裁判で、被告側は欠席でした。

たまに被告側がでてきても、「陳述の通りでいいですね?」と裁判官に聞かれ、被告人は「はい」と答えるだけで、1分ほどで終わるものばかりでした。

原告側には、弁護士さんが一人、書類に何かメモするだけで、本当に流れ作業的に進んでいきます。

そして、いざ私の番になり、相手側に弁護士さんでもでてきたらどうしようかと身構えましたが、夜逃げした入居者さんだけが原告席につきました。

なぜか睨まれていて、「ん?」な感じ。

滞納して、部屋を荒らすだけ荒らして夜逃げしたの、あなたじゃないか!と思いながら、被告席にいるので、なんだか肩身が狭い。。。

話すと長くなるので、かいつまんでお伝えすると、

  • 気づいたら、物件からいなくなっていて、後には荒れた部屋が残されていた。。。

  • 引っ越したのは数か月前なので、今まで支払った家賃を返せという主張。

です。

鍵も返してもらっていないので、到底受け入れられない主張です。

意味不明なので、訴状が届いたときには、「鍵の返却なく、解約されていないので家賃は返せません。」と返答し、裁判の日を迎えました。

結局、和解を進められるべく、すぐ別室に案内されたのですが、和解仲介人の方が、
「大家さんのおっしゃることは、ごもっとも。法的にも鍵返却なしには解約でないから、家賃を返せないというのは当たり前の話です。でも、原告はカギをポストに入れたと言っている。そんなの本当かどうかわからないと言われればそれまでだけど、見てごらんなさい。経済的に追い詰められていて、何も考えられなくなっているんですよ。。。」と、少しでもいいからお金をあげて、このまま長引かせるなと迫ってきます。

確かに、赤ん坊を抱えていて、赤ちゃんが泣き叫んでいて、不憫に思えました。

原告、被告と分かれてこの仲介人さんと話をするのですが、そこで、「正直、お金のことなんてあまり問題でない。私は、一言謝ってほしい。部屋を荒らして、カギを紛失させて、無断で退去したことを一言申し訳ありませんでしたと謝ってくれるなら、お金を寄付しますよ。ただ、これは家賃を返すとか、そんなことではありません。」と提案しました。

すると、しばらくたって呼ばれ、その入居者さん、泣きながら深々と申し訳ありませんでした、と謝ってくれたのでした。

結果的にはお金を支払うことになったので、「なんだよ谷本、結局金盗られてるじゃねーかよ。」と言われてしまうとそれまでです。

その入居者さんの謝罪も、お金を手に入れるための、単なる方便なのかもしれませんが、謝ってくれたおかげで、すっと気持ちが軽くなりました。

でも今回、裁判がどのように進むのかということや、それまでのやり取りの仕方、当日の流れなど、かなり把握することができたのが大きな収穫でした。

自分でも手軽に裁判を起こすことが可能だなと感じられた反面、一歩間違うと、簡単に入居者さんから裁判を起こされてしまう可能性もあるのだなと感じました。

大家業をしていると、本当にいろいろなトラブルに遭いますが、その都度、人間的に強くなっていけるように思います!

まとめ:
何事も経験。小さなトラブルも避けるのではなく、どんと受け止めてみよう。いつか大きなトラブル発生時に役立つ可能性があるかもしれません。

今回は退去した旧入居者から訴えられたという経験についてお話ししました。

何かの参考にしていただければ幸いです。