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土地勘をフル活用して手堅い投資

2017.09.28

先日、今住んでいる地域の土地に買い付けを入れてきました。

子供と一緒に散歩する際、不動産会社の看板・掲示板は何とはなしにチェックするのですが、今回の土地情報もそんな張り紙のような販売図面からのものでした。

どう計算しても、近隣相場の半額以下で、路線価よりも低い価格設定だったので、これは交渉してみないと、ということで、そのままその不動産会社を訪問しました。

お店に入ると、「町の不動産屋さん」を地で行くような雰囲気で、社長さんと経理のお母さんが、「よく来たね、まあお茶でも飲んでいきなさいよ。」と応対してくれました。

不動産屋さんですが、電話も一切ならず、お客さんも当然一人もいません。

それもそのはず、古い雑居ビルの2Fにあって、人目にもつかない立地のお店なのです。

でも、いただいた名刺を見て、びっくり。

免許番号の横の数字が(10)となっていて、かなり、というか、相当な歴史のある不動産会社さんであることが分かりました。

聞いてみると、先代からずっと続く老舗のようで、地場のお客様と細く長く付き合っていて、従業員も家族しかいないので、ゆったりと続けられている、とのことでした。

この土地が何故こんなに安いのか?ということについて切り出してみると、やはりワケあり物件だということが分かりました。

実はこの土地、所有者が判断能力をなくし、弁護士が後見人になっているという物件だったのですね。

この不動産会社さんも、もちろん私も、売り主が後見制度を利用しているケースなど、まったくの未経験。

事前知識としては、後見人が入ってしまうと、実質的に物件の積極的な運用はできなくなる(裁判所に物件の売却などを実際問題認めてもらいづらい・・・)ということを家族信託の勉強会で見聞きしていました。

ですので、「ああ、売りに出されているといっても、実際には、話が先に進まないんだろうな・・・。」と思いました。

でも、土地がそのお店の近くだったこともあり、何かのご縁だろうと、散歩がてら現地確認しにいきました。

すると、眺望や日当たりが最高で、これならいい企画ができるのでは?と感じたのです。

こういうとき、不動産実務検定でマスターできる、建築法規の勉強が役に立ちます。

電卓と販売図面さえあれば、机上計算だけで、どれだけの建物がプランできそうか、ということと、おおよその収益性が判断できるのですね。

ラッキーなことに、古家も解体済で、余計な費用もかからなそうでした。

そこで、社長さんとも相談しながら、ローン特約はつけない代わりに、一定の指値を入れさせてもらい、そのまま買い付けを入れたのでした。

社長さんからは、「でも、後見人や裁判所の絡みがあるから、取り引きが全く進まない可能性もあるよ。その時は許してね。また、いい土地がでてきたら、教えてあげるから。」と言われ、その日はそのまま帰宅。

すると、3週間ほどして電話があり、「やったね、谷本さん。弁護士さんがうまく立ち回ってくれたらしく、裁判所のOKがでたみたいだよ。」とのことでした。

詳細は全くわからないのですが、どうやら後見人がついているような状態のものでも、100%物件処分ができなくなる、ということではない、ということだけは分かりました。

契約書なども、弁護士・裁判所のチェックが入るらしく、今後、どのように話に進んでいくかまったくわからないのですが、時間はたっぷりありそうなので、銀行打診等はじめていく予定です。

よく、どこに物件を買うか?という議論で、

  • 土地勘のある立地でないとダメ!
  • 収益性・資産性重視で、遠隔地でもいい、逆に自宅近くなど、エリアを絞るといい物件は買えない!

と、意見は分かれます。

そんなの、自分が安心して枕を高くして眠れる方であれば、どっちでもいいじゃないかと思うのですが、今回のように土地勘のある場所での投資は、「路線価などからだけでは見えてこない土地の可能性」が手に取るように分かる場合がある、というメリットがあります。

学区や眺望、近隣の環境や入居募集の難易度など、土地勘があるからこそ、その土地の価値が分かる、というものですね。

また、当然、将来的に売却したらどうなるか?ということも考えますが、売却しても儲かる、もしくは損しない確率が高そうだな、ということも判断できればなおいいですね。

またこのコラムで、この案件がどうなったかをお伝えしたいと思います。

まとめ:
不動産投資に利用できるものは利用しよう。「土地勘」も大事なツールの一つです。

今回は、土地勘を利用した不動産投資についてお伝えしました。

何かの参考にしていただければ幸いです。