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赤字でも米を作る理由。稲刈りで考えた賃貸経営の「安全保障」

2026.10.15

先日、実家の稲刈りを手伝ってきました。

その時父から、「うちのような小規模な農業は赤字だ」と聞かされました。

それでも、「自分で食べるものは自分の手で作りたい」という父の思いに触れて、私はあながちムダなことではないと思いました。

普段、米はスーパーで買えますし、費用や手間だけを考えれば買った方が合理的かもしれません。

しかし、それは「買いたい時に買える」ことが前提です。

お金を持っていても、肝心の米が手に入らなければ食べることはできません。

私からすれば、実家から米や野菜を送ってもらえることは本当にありがたく、スーパー以外にも食べ物を確保できるルートがあることは、一つの「保険」だと考えています。

もちろん、実家で作っているからといって、絶対安心ということではありません。

それでも、「買う以外の方法」を持っている。

その意味は、普段感じている以上に大きいのではないでしょうか。

赤字か黒字かだけでは測れない、「自分たちで食べ物を作れる力」は、いざという時、お金には代えられない価値を持つと思ったのです。

稲刈りをしながらこうした「食の安全保障」について考えていたのですが、これは賃貸経営にもそのまま通じると感じました。

例えば、リフォーム会社との付き合いです。

工事代金は安い方がありがたいですが、一番安い会社に仕事を集中させ、他との取引を止めてしまったらどうでしょうか。

その会社が大幅に値上げしたり、忙しくて希望の時期に工事ができなくなったりした時、お願いできる先がそこしかなければ困ってしまいます。

一方で、価格は少し高くても、納期で融通をきかせてくれたり、丁寧に報告してくれたりする会社もあります。

見積書の金額だけでは分からないありがたさがあり、私自身もそうした会社に何度も助けられてきました。

もし、価格が高いという理由だけで取引を止めていたら、その助けは得られなかったかもしれません。

銀行との関係でも、同じことが言えます。

私がお付き合いしてきた中では、都市銀行や地方銀行に比べて、信用金庫は金利が少し高くても、融資の相談で融通をきかせてくれる場面がありました。

実際、他で断られた案件を融資してもらえたことが何度もあります。

金利の低さだけで取引先を絞ってしまうと、いざ融資を断られた時に、他に相談できる先がなくなってしまいます。

目の前の「金利差」と、いざという時に「相談できる関係」。

私は、その両方を見て判断したいのです。

普段、何も問題がない時には、安さや効率の良さばかりが目に入りやすいものです。

取引先を絞れば、やり取りも少なくて済むでしょう。

ただ、その削ったものの中に「困った時の相談先」や「助けてもらえる可能性」まで含まれてしまっていないか、よく考えておきたいところです。

お金が借りられない。

工事をしてもらえない。

そうした状態になってから関係を作ろうとしても、すぐには間に合いません。

だからこそ、普段からのお付き合いに意味があるのです。

もちろん、どんな条件でも付き合いを続けるべき、という話ではありません。

価格交渉や取引の見直しも当然必要です。

その上で、「少し高い」という理由だけで大切な関係まで切ってしまっていいのか、一度立ち止まって考えたいのです。

実家の農業が収支を超えた「保険」になっているのと同じように、賃貸経営にも目先の損得だけでは見えない「備え」があります。

皆さんも、今お付き合いしているリフォーム会社や銀行を思い浮かべてみてください。

もし、いつもの相手に断られたら、次にどこへ相談するでしょうか。

安く済ませることと同じように、「経営を止めないために何を残しておくか」も考えておきたいものです。

まとめ:
目先の損得や効率だけで、頼れる関係を手放さない。
困った時に相談できる先を持っておくことも、賃貸経営を続けるための保険です。

今回は、実家の稲刈りを通じて考えた、賃貸経営の「安全保障」についてお伝えしました。

何かの参考にしていただければ幸いです。