モンスター入居者と定期借家契約
管理物件の一室で水漏れトラブルが発生しました。
トイレの天井から水がポタポタ落ちてくるという漏水トラブル。
臭いがするとか、ずっと水漏れしているとかではなく、時々、水漏れがあるとのことで、十中八九、排水管からの漏水と想像できます。
アパートの漏水トラブル対応で難しいのは、現地調査の際に上下階の入居者の調整も必要なことです。
今回の例でいうと、原因は上の階の排水管にありそうなので、どうしても上のお部屋の入居者さんの協力が必要になります。
水漏れの連絡をくれた入居者さんと上階の入居者さんを同じ日程で調整しなければならないので、これだけでけっこう難儀します。
さらに今回、ただでさえややこしいトラブル解決をさらに難しくしたのが、上階の入居者さんがちょっと変?(非協力的?)な方であったことです。
横柄な態度をとる、怒鳴る、バカにする、罵詈雑言を浴びせてくる、といった入居者さんで、今回の漏水トラブルを説明してもなかなか協力してくれません。
管理スタッフが何とか関係者全員の日程調整を終えてホッとしたのもつかの間、業者さんから泣きの緊急電話が入ってきました。
「16~17時訪問予定で、10分ほど早く到着したのでそのまま訪問したところ、約束の時間じゃないだろと怒鳴られて現地確認ができませんでした。」とのこと。
スタッフがその入居者さんに電話すると、「俺が16時って言ったら16時なんだよ!時間を守らないのなんて、低能な人間のやることだ。お前らバカなのはわかるけど、バカはバカらしく、時間ぐらい守らせろよ。」とこちらの話を聞くことすらしません。
オーナーさんには状況を説明し、契約解除を進めることで方向性を固めました。
幸いなことに、この入居者さんとの賃貸借契約は「定期借家契約」です。
普通借家契約では、家賃滞納がなければどんなモンスター入居者であろうと貸主側からの解約は難しいですが、定期借家契約では、生活マナーの悪い借主に対して、「再契約しない」ことを貸主側が借主に突きつけることができます。
今回の入居者には、すでに先日、半年前通知で再契約の意向を伝えてしまっていたのですが、契約終了通知は、新しく通知してから半年で効果を発揮します。
なので、通知後、半年したら契約自体は終了になります。
もちろん、このようなクレーマー入居者が現れることなど、そうそうないかと思います。
もしかしたら、賃貸経営している間には出会わないかもしれません。
それはそれでラッキーなことだと思いますが、問題なのは、そんなクレーマー入居者に出会ってしまったときです。
問題の程度こそあれ、やはりそんな場合に備えて、契約形態は貸主側に有利なものにしておくに越したことはありません。
今回の件は、その後、スタッフの説得に入居者が応じて、何とか修繕業者を居室に入れてもらうことができました。
しかし、人の性格・本質は変えられないと思うので、解約の方向は変えずに淡々と進めていくべき案件だと思っています。
何かの時のための「定期借家契約」の大切さを、本当に痛感した案件でした。
まとめ:
万が一のための定期借家契約。
トラブルが発生した時のお守りと思って活用しよう。
今回はモンスター入居者の出現と定期借家契約についてお伝えしました。
何かの参考にしていただければ幸いです。
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