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入居者の死を受け、物件再建のスタート!

2023.03.02

「谷本さん、Aさんのお部屋から少し臭いがしています。何かあったらいけないと思って、連絡しました・・・。」

その日の夜、運営している小規模シェアハウスの入居者Bさんがかなり焦った様子で連絡してきてくれました。

様子を聞いてみると、

  • いつも見かけるAさんの姿を3日間見かけていない。

  • Aさんは、旅行などでハウスをあける時はスリッパを下駄箱にしまうが、今回は下駄箱にスリッパはない。

  • 部屋のカギは閉まっていて、物音がない。

とのこと。

「ああ、これはヤバいやつだな・・・。」と思ったものの、比較的、遠方にある物件のため、すぐには身動きがとれません。

そこでBさんには、消防署のレスキューを手配するからと伝えて、落ち着いてもらいました。

物件近くの消防署を調べて、電話で概要を伝えると、消防隊員がすぐにレスキュー隊を派遣してくれることになりました。

その際、「居室ドアのカギが施錠されているとのことですが、ぶち破ってもいいですね?」と言われ、仕方がないことなので、もちろん了承しました。

しばらくして、現場の隊長から緊急着信。

「異臭があるとのことなので、科学調査班と一緒に現場に急行してきています。念のため屋根に梯子をかけて窓を確認したら、一箇所、施錠されていなかった箇所があったので、そちらからお部屋に突入しました。ベッドで倒れておられるAさんを発見、死亡していると思われるので、警察にきてもらっています。この後は警察から谷本さんに連絡がいきます。詳しくは警察から聞いていただきたいのですが、事件性のある自殺・他殺ではなく、突然死・病死の類かと思われます。私たちはこれで撤収します。」

との報告があり、現場でテキパキ作業されている隊員達の姿が目に浮かびます。

改めて、日本の消防署や警察は何て心強いのだと思わずにはいられませんでした。

入居者Bさんとも連絡を取り合い、「Aさんの死を発見するという結果にはなってしまったけれども、早期対応してくださり、ありがとうございました。」と感謝されました。

警察からの連絡は、結局翌日になりました。

  • これから鑑識にかけられるが、事件性のあるものではなく、持病からの病死と思われること。

  • 遺族とは連絡がとれており、私(谷本)の連絡先も伝えてあること。

  • 遺体はすでに建物から移送してあること。

  • お部屋の被害は特にないこと。

  • エアコンの設定が27度でつけたままだったため、遺体が傷みだしていたと思われる。

など簡単に伝えられ、お部屋の片付けやリフォームは、念のため、鑑識結果を待ってからにしてもらいたいと念を押されました。

その後、すぐに遺族であるAさんのお父様から電話がかかってきて、「本当に今回はご迷惑をかけてしまって申し訳ない。遺品といっても大したものはないが、ベッドなどを含め、全部こちらで処分させていただくので少し時間をいただきたい。」とのこと。

クロスの全面張替や特殊清掃費などももちろん負担するからと言われ、逆に申し訳なくなりました。

でも、やはり血は水よりも濃い、です。

振り返ってみると、これまで親・子以外の方が連帯保証人や緊急連絡人になっている場合、緊急事態時に非協力的なことが少なくありませんでした。

しかし、特に親が連帯保証人や緊急連絡人になってくれている場合は、ほぼ100%協力してくれることが多いです。

今回も、お父様が全面的に協力してくださり、責任をもって動いてくれているので、原状回復まではスムーズに進みそうです。

ただ、不動産投資としては、今後シェアハウスとして運用していくのは難しくなりそうに思いました。

自然死の類なので、事故物件には該当しないと思われますが、でも、居室で人が亡くなられているため、イメージダウンは絶対です。

また、現在の入居者さんがその事実を知っているので、新しく見学にくる方にもその事実を事前に伝えないわけにはいきません。

となると、シェアハウスではなく通常賃貸に切り替えるとか、売却するとか、または建て替えるといった選択肢がでてきます。

幸いなことは、もう借り入れがほとんどないことでしょうか。

なので、一時的な空室状態にも耐えられます。

それでも、やはりなんとも気が滅入ってしまった一週間でした。

でも、負けません。

不動産投資・賃貸経営をしていれば、一度や二度はこんな経験しますものね。

こちらの物件、運営立て直しのスタートです!

まとめ:
長い賃貸経営、大きなトラブルは必ず起こる。
トラブル発生時にも慌てず、冷静に対処していこう!

今回は、物件で発生した入居者の死とその対応法についてお伝えしました。

何かの参考にしていただければ幸いです。